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2020年5月 9日 (土)

ポストコロナ時代の社会秩序の構築

 これまで、日本では、人口減少問題(超高齢社会化、少子化、生産年齢人口比率低下)に焦点が当てられ、特に、社会保障費削減(病床数の削減、研究費の削減、感染症に対する予算の縮小)ばかりに議論が集中してきました。グローバル化してパンデミックが510年おきに発生しているという状況にあってもなお、日本は直接的な被害は少なかったため、水際作戦で防げるという他人事的で済ませられてきたという経緯もあり、感染症対策は政治の片隅に追いやられてきました。

 経済活動についても同様です。製造の低コスト化だけを追い求めてサプライチェーンを中国に集中させてきました。今回のパンデミックの当初の震源地である中国で都市が封鎖され人の活動が制限されるという事態に遭遇して、世界中のサプライチェーンは機能しなくなってしまいました。また、薬の原料にしても、医療行為に欠かせないマスクなどの物資にしても、医療機器にしても、その生産は中国に頼りきっていました。企業経営についても、90年代以降、米国流の「選択と集中」が論じられてきたため、感染症に対する製品への投資が抑えられ、いざ、国内生産の拡大が必要になっても、医療物資や医療機器の供給を、ニッチを目指してきた企業に頼らざるを得なくなっています。

 パンデミックというリスクが顕在化してしまった現在、私達日本人は、人口減少による経済成長の停滞、超高齢化による社会保障費の増大、少子化による生産年齢人口比の低下といったベースにある社会経済問題といった20世紀型経済モデルに頼るのではなく、パンデミックが起きたときの社会コストや財政支出にも持ちこたえることのできる冗長性のある新たな社会経済システムのモデルが必要になったのだと、深く認識しなければなりません。

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