時価会計基準適用範囲の見直し ルールを変えるという戦略、ルールが変る背景にある変化
金融商品の信用が失墜し株式市場が暴落しているこの時期に、投資家の利益を守るために導入した時価会計基準を変えるということは、したたかさいうべきか、戦略というべきか。
ルールは守らなければならない。しかし、ルールは絶対的な存在ではなく相対に決められるものであり、一面から見た利益を守る仕組みである。状況が変わり利益集団の発言力が変れば、当然のことながらルール自体を見直すことが必要になる。
現在、サブプライム問題で金融商品の信用力が地に落ち、証券市場が混乱していることを背景に、時価会計基準の見直し論が出ている。この基準の見直しは、状況が変ったことへの対応であり、守るべき利益を有する投資家という利益集団が変った訳ではない。したたかにルールを変更し、投資家を守るための動きである。
ところで、皆で守るためのルールを決めるためには、より高い原理原則を作り、その有効性を理論展開し実証しなければならない。状況が変ったという理由でルールを変更するからには、その変更するための原理原則の変更、あるいは、変更基準が必要となる。
時価会計基準を導入する原理原則は、市場原理主義を適正に機能させることである。そして、その変更が余儀なくされているということは、市場原理主義自体の制度疲労が露呈されたことになる。
今、起きている変化は、市場原理主義という原理原則の変化である。暴走した投資行動によって石油価格や様々な原料価格が乱高下して庶民の暮らしを直撃し、また、環境や格差社会が問題となっている。
今こそ、地球全体、地域社会の利益を踏まえて、戦略をもってルールの変更に臨まなければならないときである。
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